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私は,大阪市内で約4年半にわたって弁護士として修行させて頂きましたが,平成21年4月に,独立し,故郷である和歌山県橋本市に事務所を構えました。
大阪で勤務していたときも,ボスのお客様の中に橋本市周辺の方がおられ,その方のご依頼を受けて主任として活動させて頂いたことがありますが,その時に,こんなことを思いました。
ご依頼された方は,交通事故でご自身のお母様を亡くされた息子さんでした。お母様は,亡くなるその日まで,代々続いていた会社で「戦力」として働いておられました。息子さんは,加害者側の保険会社と示談交渉をしましたが,保険会社は,「せいぜい,2000万円強しか支払えない。」というのです。理由は,お母様は,80歳程度とご高齢であって,「戦力」として働いていたのではなく,お母様が得られていた収入は,労働の対価ではないというのです。現実に,欠かせぬ「戦力」として勤務されていたにもかかわらず,保険会社は,これを否定したのです。息子さんにとって,そのような回答は,お母様の尊厳を汚すものでした。
そこで,私が,訴訟を提起したのです。訴訟でも,保険会社側は,同様の主張を繰り返しました。私は,何度も現場に足を運び,お母様の勤務されていた仕事内容を丁寧に表現し,長引く訴訟を戦いました。まもなく,証人尋問をしようかというとき,裁判所から,和解案が示されました。その内容は,保険会社側がご遺族に対して,約4500万円を支払うというものでした。当然ではありますが,裁判所は,お母様が「戦力」として実働されていたことを認めたのです。
保険会社側も,裁判所の説得には応じたため,訴訟は,和解で終了しました。
和解によって得たのは,金銭的なものはもちろん,お母様の尊厳の回復だったのだと感じました。
一方で,橋本市周辺の方々は,このような理不尽なことがあっても,「保険会社が言っているのだから,しょうがない。」などと考えて,泣き寝入りしていることが多いのではないかと思いました。
そこで,私は,地元橋本市に戻って法律事務所を開設したのです。
和歌山弁護士会(和歌山弁護士会の委員会としては,高齢者障害者支援センター運営委員会などに所属しております。)
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